レチノイン酸によるシミ治療の原理 レチノイン酸は表皮の細胞を活発に増殖させるために、表皮の細胞はどんどん押し上げられていき、そのときにメラニン色素を一緒に持って上がっていき、2〜4週間でメラニン色素を外に出してしまいます。これがレチノイン酸の特長です。本治療では、この期間ずっと、強い漂白剤であるハイドロキノンを作用させて、メラノサイトに新しいメラニンを作らせなくしておきます。それにより結果的に、表皮はメラニン色素の少ない、きれいな新しい皮膚に置き換えられることになります。 >>症例写真
本治療に使われる主な薬剤 1.レチノイン酸ゲル 非常に強力な作用がありますから、医師の指導のもとにお使いいただかなければなりません。この薬はシミを古い表皮の細胞とともに、垢として押し出してくれます。そして新しい表皮を作り上げます。 反応
*使用すると反応性の皮膚炎が起こります。 *初めの数日は、通常全く無反応です。だからといって絶対に大胆に塗らないでください。数日たって突然反応が始まります。 *赤くなったり、ポロポロと角質が取れてきます。薬が効いていること のひとつの目安です。特に反応が強いときは担当医にご相談ください。 2、ハイドロキノン ハイドロキノンは、シミの原因であるメラニン色素を作らせなくする美白剤です。市販の美白製品では成分の作用がハイドロキノンに比べて非常に弱い(100分の1程度)ため、市販されている濃度では実際の効果は期待できません。 副作用:特にレチノイン酸治療のような角質をとる治療をしているときには、ハイドロキノンはしみるためヒリヒリしたり、皮膚が少し赤くなったりすることがあります。特に反応が強いときは担当医にご相談ください。 治療経過は 通常のシミの治療期間(1クール)は約2ヶ月です。治療は前半の漂白していく治療期間、両方使用の(2〜6週間)と後半の炎症をさましていく期間、ハイドロキノンのみの使用の(2〜6週間)に分かれます。使用開始後、治療部位の皮膚が赤くなり、垢のように皮膚がポロポロ剥けてきます。その後、徐々に赤みが増してきますが、シミは薄くなってきます。 治療中は最低でも2週間に1度は担当医の診察を受けてください。( 特に使用開始は、必ず1週間後に来院して下さい。) レチノイン酸ゲル・ハイドロキノンは必ず冷蔵庫(冷凍庫は不可)にて保存。レチノイン酸ゲルは、安定性が悪いため、1ヶ月ごとに新しいものを使用してください。 *反応、刺激が強すぎるとき(皮膚がむけて出血点が生じた場合、赤くただれた場 合、痛みが強い場合)は直ちに使用を中止し、担 当医に相談してください。 =注意= ・ レチノイン酸はシミ・シワ・ニキビなどに効果があり、米国FDAに認可されておりますが、日本では未認可の治療薬です。 ・ 妊娠中の方、妊娠の可能性のある方はこの治療を受けることはできません。 ・ 治療開始後に皮がむけたり、赤く腫れたりする反応がおこります。 ・ 表面の角質層がはがれて、例えて言えばくもりガラスの下にあったシミがガラスを磨いた為に(紫外線カメラで見るとシミの予備軍と呼ばれるかくれたシミが)はっきりしてくる場合があります。 ・ 強い炎症反応を伴った場合には色素沈着を生ずることがあります。 ・治療中は医師の指導に従い、保湿ケア、紫外線防止ケアが必要です。 ・ 必ずしもすべての方に効果があるわけではありません。